ブリューゲルの動く絵

監督:レフ・マイェフスキ Lech Majewski

1953年8月30日ポーランドのカトビッツェ生まれ。アーティスト、映画監督、詩人、舞台演出家。1977年にポーランドのウッチ映画大学卒業。

ポーランドで2本の映画を撮った後、リオデジャネイロでイギリスの大列車強盗犯ロナルド・ビッグスと共に『Prisoner of Rio』(原題)を、アメリカでデヴィッド・リンチの製作会社プロパガンダ・フィルムズと組みビゴ・モーテンセンの主役デビューとなった『Gospel According to Hurry』(原題)などを製作。世界をまたにかけた活躍を始める。1995年には原案、共同プロデューサーとしてジュリアン・シュナーベル監督の『バスキア』に参加。ヨーロッパに戻り、夭折した詩人を描いた『詩人ヴォヤチェク』(99)、シレジア地方の炭鉱夫を描いた叙事詩的作品『Angelus』(原題/00)、ヒエロニムス・ボスの絵画《快楽の園》をモチーフにした『The Garden of Earthly Delights』(原題/04)、ビデオアートの連作「Blood of a Poet」を発展させた『Glass Lips』(原題/07)がそれぞれ数多くの映画祭に出品されグランプリを含むいくつかの賞を受賞。『Angelus』はニューヨーク近代美術館等の美術館でも上映された。

またビデオアーティストとしても世界的な評価を受けており、自身のオペラ作品を映像化した「THE ROES’ROOM」を2000年に発表して以来、精力的にビデオアート作品を制作。2006年にはニューヨーク近代美術館で映画とビデオアート作品を紹介した大規模な回顧展「Conjuring the Moving Image」が開催され、33篇からなるビデオアートの連作「Blood of a Poet」を披露。同作はヴェネツィア・ビエンナーレをはじめ世界各国20か所以上で展示された。『ブリューゲルの動く絵』をもとにした「BRUEGEL SUITE」でもヴェネツィア・ビエンナーレに参加している。

舞台監督としてはホメロスの「オデュッセイア」(82)をロンドンのテムズ川を使って演出したのを皮切りに、ロバート・ウィルソンらのポストモダン・オペラを改訂した舞台「ブラック・ライダー」(95)、シェークスピアの「真夏の夜の夢」(97)、「三文オペラ」(02)などを手がけ、ペンデレッキの「ユビュ王」(93)、ビゼーの「カルメン」(95/新版02)などオペラの演出も行っている。その他小説や詩集を出版するほか、ポーランドの現代音楽の巨匠を特集したCDシリーズのプロデュースなども手掛けている。

フィルモグラフィー
2010年 『ブリューゲルの動く絵』 The mill and the cross 脚本/監督/製作/撮影監督/編集/作曲
2007年 『Glass Lips』(原題) 脚本/監督/製作/撮影監督/編集/作曲
2004年 『The Garden of Earthly Delights』(原題) 脚本/監督/製作/撮影監督/編集/作曲
2000年 『Angelus』(原題) 脚本/監督/セット・デザイン/作曲/編集
1999年 『詩人ヴォヤチェク』 Wojaczek  脚本/監督/編集
1996年 『バスキア』 Basquiat 脚本/製作
1992年 『Gospel According to Harry』(原題) 脚本/監督/製作
1988年 『Prisoner of Rio』(原題) 脚本/監督/製作
1986年 『Flight of the Spruce Goose』(原題) 脚本/監督/製作

共同脚本:マイケル・フランシス・ギブソン  Michael Francis Gibson

作家、歴史家、美術評論家。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙で30年以上にわたり、美術に関するコラムを連載。他にも、ニューヨーク・タイムズ、アート・イン・アメリカ、アート・ニュース、コネッサンス・デザールといった新聞・雑誌への寄稿に加え、ラジオ・カナダやフランス・カルチャーといったラジオ局で芸術・文化・哲学について取り上げてきた。

これまでブリューゲルをはじめ、象徴主義、ダダやデュシャン、ゴーギャン、ルドンなどについての論文を執筆。1996年にブリューゲルの絵画《十字架を担うキリスト》について詳細に考察したThe Mill and the Cross(原題)を上梓。その他の著書に、文化人類学の分野での研究書Ces lois inconnues(原題)や、ミゲル・エラーズ名義で書かれたファンタジー3部作Chronicles of the Greater Dream(英題)の1、2作目などがある。

本作ではマイェフスキ監督ととも脚本を共同執筆している。

ルトガー・ハウアー Rutger Hauer(ピーテル・ブリューゲル)

1944年オランダ生まれ。ポール・ヴァーホーヴェン監督の1973年のヒット作『ルトガー・ハウアー/危 険な愛』(日本劇場未公開)で映画デビュー。1975年にアパルトヘイトを描いたイギリス映画『ケープ タウン』に出演した後数年間はオランダで活動していたが、シルベスター・スタローン主演の『ナイトホ ークス』(81)で冷血なテロリストを演じ、アメリカデビューを遂げる。翌年出演したリドリー・スコ ット監督の『ブレードランナー』(82)にレプリカントのリーダー役が当たり役となり、未だに熱狂的な ファンをもつ。

その後も、サム・ペキンパー監督の『バイオレント・サタデー』(83)、ミシェル・ァイファーと恋人同士を演じた『レディホーク』(85)、『ヒッチャー』(86)のヒッチハイカー役などで強烈な印象を与えるが、1989年に出演したエルマンノ・オルミ監督の『聖なる酔っぱらいの伝説』(89)ではこれまでのイメージと異なる優しい一面をみせた。

アクション映画『ブラインド・フューリー』(89/フィリップ・ノイス監督)、ジョアン・チェン共演のSF映画『サルート・オブ・ザ・ジャガー』(90/デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ監督)などに出演した後、2000年代に入り『コンフェッション』(03/ジョージ・クルーニー監督)で暗殺者、『シン・シティ』(05/ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー監督)で残酷な権力者である枢機卿、『バッドマン・ビギンズ』(05/クリストファー・ノーラン監督)で邪まな重役に扮し、真骨頂ともよべる非道な悪役で存在感を示し続ける。その後の出演作に『Dazzle』(英題/09/サイラス・フリッシュ監督)と、『ザ・ライト-エクソシストの真実』(11/ミカエル・ハフストローム監督)など。最新作はジェイソン・アイズナー監督が映画『グラインドハウス』のフェイク予告編を実写映画化した『ホーボー・ウィズ・ア・ショットガン』(11)で主演をつとめている。

映画だけでなく、1990年代に一連のギネスビールCMでユーモラスな姿を披露。また、ナチスドイツの建築家アルベルト・シュペーアを演じた『Inside the Third Reich』(原題)、『脱走戦線』、『ファーザーランド/生きていたヒトラー』(いずれもビデオ発売時タイトル)、『ヤング・スーパーマン』(TV放映時タイトル)などTV番組にも出演している。

シャーロット・ランプリング Charlotte Rampling (マリア)

1946年イギリス生まれ。40年以上にわたり欧米各国の映画に出演し続ける名女優。スクリーンデビ ューは1965年のリチャード・レスター監督『ナック』だがクレジットはされなかった。翌年『ジョージ ー・ガール』(シルヴィオ・ナリッツァーノ監督)でメレディス役を演じ、その後、英仏両国の映画で活躍 するようになる。

1969年ルキノ・ヴィスコンティ監督『地獄に堕ちた勇者ども』で演じた、強制収容所に送られる若妻役 や、1974年のリリアーナ・カヴァーニ監督『愛の嵐』の元・強制収容所看守とサド・マゾ的関係に陥いる 元・収容者役が議論を呼び、“類稀なる大胆な女優”という評価を決定づけた その後、レイモンド・チャンドラー原作の『さらば愛しき女よ』のリメイク版(75/ディック・リチャーズ 監督)、ウディ・アレン監督の『スターダスト・メモリー』(80)や、シドニー・ルメット監督『評決』 (82)などアメリカ映画にも出演、高く評価される。

2000年にはフランソワ・オゾン監督の『まぼろし』で主演をつとめ批評家から絶賛を浴び、続くオゾン 監督『スイミング・プール』(03)にも出演。女性たちのセックス・ツーリズムを描いた問題作『南へ向か う女たち』(日本劇場未公開/04/ローラン・カンテ監督)でも主役をつとめるなど、物議をかもす挑発的 な作品へにも積極的に出演している。

近作に、ソウル・ディブ監督『ある公爵夫人の生涯』(08)、マーク・ロマネク監督『わたしを離さない で』(10)、ラース・フォン・トリアー監督『メランコリア』(11)などがある。

マイケル・ヨーク Michael York (ニクラース・ヨンゲリンク)

1942年イギリス生まれ。ナショナル・ユース・シアターに所属し、ロンドンやその他ヨーロッパ各地でシェークスピア劇を演じた後、オックスフォード大学に進学。1965年、ローレンス・オリヴィエのロイヤル・ナショナル・シアターに参加。その1年後に、フランコ・ゼフィレッリ監督の『じゃじゃ馬ならし』で映画デビューを飾り、リチャード・バートン、エリザベス・テイラーと共演した。同じくゼフィレッリ監督の『ロミオとジュリエット』(68)ではティボルト役を演じた。『キャバレー』(72/ボブ・フォッシー監督)では、ライザ・ミネリのバイ・セクシュアルの相手役を、1977年には再びゼフィレッリと組み『ナザレのイエス』で怒れる洗礼者ヨハネを演じた。1973年には『三銃士』(リチャード・レスター監督)にダルタニアン役で出演する一方、テネシー・ウィリアムズの『叫び』に参加しブロードウェイ・デビュー。『三銃士』シリーズでは翌年の『四銃士』、20年後を描いた『新・三銃士』(89/日本未公開)でも主演している。またイギリスのTVシリーズ『The Forsyte Saga』(原題/67)や、『2300年未来への旅』(76)の主演などを務める。

映画、TV、舞台と多岐にわたる活躍で、60本以上の映画、80本以上のTVドラマやブロードウェイはじめ各地のステージに出演。代表的な映画作品に『できごと』(67/ジョセフ・ロージー監督)、オール『オリエント急行殺人事件』(74/シドニー・ルメット監督)、バート・ランカスター共演の『ドクター・モローの島』(77/ドン・テイラー監督)、『オースティン・パワーズ』シリーズの全3作など。TV作品では『SPACE/宇宙への旅立ち』(ビデオ発売時タイトル)、『ナイト・オブ・ザ・フォックス』(同)、エミー賞候補となった『The Lot』(原題)など、舞台では『ベント』、タイトル・ロールに扮した『シラノ・ド・ベルジュラック』や、ミュージカル『星の王子様』、『キャメロット』などがある。

またその独特な声は、90を超すオーディオ・ブックや映画のナレーションや声優でも聞くことができ、オーディオブック『あなたに平和が訪れる禅的生活のすすめ』、『さらばベルリン』、『ライオンと魔女』等でグラミー賞を受賞している。

クレジット

スタッフ
監督/製作 レフ・マイェフスキ Lech Majewski
脚本 マイケル・フランシス・ギブソン Michael Francis Gibson
レフ・マイェフスキ Lech Majewski
マイケル・フランシス・ギブソン著 The Mill and The Crossより着想
製作総指揮 アンゲルス・シレジウス Angelus Silesius
共同プロデューサー フレディ・オルソン Freddy Olsson
ライン・プロデューサー マウゴジャータ・ドミン Małgorzata Domin
共同出資 Polish Film Institute/Agnieszka Odorowicz
共同製作 Telewizja Polska/Freddy Olsson/Bokomotiv Filmproduktion/Odeon Studio /Silesia Film/24 Media/Supra Film/Arkana Studio/Piramida Film
撮影監督 レフ・マイェフスキ Lech Majewski
アダム・シコラ Adam Sikora
衣装デザイン ドロタ・ロクエプロ Dorota Roqueplo
美術 カタジーナ・ソバンスカ Katarzyna Sobańska
マルセル・スラヴィンスキ Marcel Sławiński
メイク・デザイン ダリウス・クリシャック Dariusz Krysiak
モニカ・ミロフスカ Monika Mirowska
音楽 レフ・マイェフスキ Lech Majewski
ヨゼフ・スカルツェク Jozef Skrzek
編集 エリオット・エムス Eliot Ems
ノルベルト・ルジク Norbert Rudzik
助監督 クシシュトフ・ウカシェヴィチ Krzysztof Łukaszewicz
ドロタ・リズ Dorota Lis
雲のフォーメーション撮影(NZ) ジョン・クリストフェルス John Crisstoffels
衣装スーパーバイザー エヴァ・コチャンスカ Ewa Kochańska
美術監督 スタニスワフ・ポルチェク Stanisław Porczyk
視覚効果 オデオン・フィルム・スタジオ Odeon Film Studio
視覚効果スーパーバイザー パヴェウ・ティボラ Paweł Tybora
3Dアニメーション マリウス・スクジェプチンスキ Mariusz Skrzypczyński
合成 ダウィド・ボルキェウィッツ Dawid Borkiewicz
ワルデマー・モルダルスキ Waldemar Mordarski
サウンド・デザイナー レフ・マイェフスキ Lech Majewski
ラボ WFDiFワルシャワ WFDiF Warsaw
キャスト
監督/製作 レフ・マイェフスキ Lech Majewski
ピーテル・ブリューゲル ルトガー・ハウアー Rutger Haue
聖母マリア シャーロット・ランプリング Charlotte Rampling
ニクラース・ヨンゲリンク マイケル・ヨーク Michael York

2011年 サンダンス映画祭 ニュー・フロンティア部門正式出品
2011年 ロッテルダム国際映画祭 スペクトラム部門正式出品
2011年 ヨーテボリ国際映画祭 ヴィジョナリー部門正式出品

フランスプレミア上映 ルーブル美術館
第24回東京国際映画祭 特別招待作品

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